みちのく潮風トレイル(松川浦〜女川)9泊10日

2025/05/06(月)〜05/15(金)の10日間、みちのく潮風トレイル(MCT)を松川浦から女川まで、約300kmを9泊10日で歩いてきました。

5月末で15年近く勤めた会社を辞めることになり、その有給消化期間を使って歩こうと、3月ごろからコツコツ旅の計画を進めていました。実はその前に、ふくしま浜街道トレイルを週末ごとに少しずつ歩き始めていて、4月末までに勿来から松川浦までつなげるつもりだったんですが、途中でアクシデントもあって完歩できず……。いったんそっちは後回しにして、気持ちを切り替え、まずは10日間のロング区間に出ることにしました。

今回歩いた区間には、大学時代によく通った思い出の場所もあるし、震災後なかなか行けていなかったエリアも多く、その変化を自分の足で確かめてみたい、という思いがありました。

行き当たりばったりでテン泊や野宿しながら進む旅が出来れば楽しそうですが、さすがに今年50歳になる身としては、公園で寝て職質ってのは遠慮したいところ。というわけで、今回はキャンプ場やホテル、民宿などしっかり予約して歩くスタイルに落ち着きました。

1日目/松川浦〜相馬市内〜新地〜鹿狼山登山口@beetoキャンプ場・タープ泊(合計時間: 7時間30分 距離: 25.6km)

GWで妻の実家がある福島に帰省しており、義父に松川浦までクルマで送って貰い、 9時前に松川浦に到着して、歩き始めました。

朝から雨予報でしたが、本降りで降りだしたのは10時頃でした。そこから翌日の朝までほぼ雨が続きました。

途中、蕎麦屋でそばを頂き、山に入る前にコンビニに立ち寄り、鹿狼山の登山口へ。 鹿狼山登山口近くの鹿狼の湯で汗を流し、キャンプ地であるbeetoというキャンプ場へ。

2日目/鹿狼山登山口〜鹿狼山〜山元町@casano-vaキャンプ場・タープ泊

前日からの雨が朝方激しくなり、予定より1時間近く出遅れ、鹿狼山へ。

鹿狼山を下山する頃には青空も見えてきて、暑くなりそうな予感。 下山後のロード歩きが長く暑かった。

一つ残念だったのは、立ち寄る予定だった震災遺構中浜小学校が休館だったこと。

3日目/山元町〜深山〜四方山〜阿武隈橋@ファミリーロッジ旅籠屋・仙台亘理店・泊

朝5時前スタートで、まずは深山へ。深山で中腹にサングラスを落としたことに山頂で気づいて取りに戻ったり、四方山手前で補給不足で一度里まで下りて水を分けて貰ったりとミスロス多めの1日。

四方山から先でMCTとしては一番長いトレイル歩きを楽しめましたが、亘理に下りてからは割と長めのロード歩き… ただ、この日は夕焼けがキレイだったので、阿武隈大堰付近で日没まで粘って写真撮ったりしながら、テント泊でない分ゆっくり過ごせました。

4日目/阿武隈橋〜閖上(名取トレイルセンター)@名取トレイルセンターテント場→輪りんの宿・泊

阿武隈川の河口に向かって堤防歩き、海沿いの避難丘などを巡り、12:00過ぎには名取トレイルセンターに到着。
受付を済ませてテン場で設営するもそこそこの強風。


Windyで見たら最大瞬間風速17mとあり、夜半から強風のママ雨が降るというので、 近くのサイクルスポーツセンターのホテル泊に急遽変更。 今回、テン泊に拘って計画しましたが、残り日数の方が多いので、予定通りの行程で歩く方が大事だと判断。

5日目/閖上(名取トレイルセンター)〜多賀城〜本塩釜駅@野蒜・未来学舎KIBOTCHAフリーサイト・タープ泊

早朝、横殴りの雨の中ひたすら海沿いを仙台港付近まで。序盤で靴の中まで水でぐしゃぐしゃになりながら、15km。 雨が上がりそうだったので、途中コインランドリーで全てを乾かしてリスタート。

多賀城に入ると歴史感がある雰囲気ある街並みと史跡をぐるぐる回るルートでそうゆっくり観光してるわけにもいかずで本塩釜駅まで。 塩釜も良い街でゆっくり散策したかったが、電車で野蒜まで移動する必要があり断念。 宮城オルレは奥松島と陸の奥松島を堪能できる良いルートでした。

6日目/本塩釜駅〜浦戸諸島〜宮戸島(宮城オルレ)〜野蒜駅@未来学舎KIBOTCHAフリーサイト・泊

大学時代からの友人が一緒に歩いてくれるというので、宮城オルレの奥松島コースを含め一緒に歩くことに。 塩釜マリンゲートから、桂島、野々島、寒風沢島と渡船しながら島内を歩き、寒風沢から宮戸島へ渡りたかったが、渡船予約が出来ず。 寒風沢から一旦塩釜へ戻り、野蒜から宮戸へタクシーで移動してルートを繋げた。

7日目/野蒜駅〜石巻〜田代島〜網地島@網地島 潮美荘・泊

石巻の網地島ライン発着場までロード30km超を12:30出港の船に間に合うようパラパラ雨が降る中歩く。 松島基地の端から端まで歩いているころには雨は止み、北北上運河沿いを旧北上川まで歩き、 さらに川沿いをぐるりとフェリーの発着場がある中州がある付近まで。

12:30発の網地島ラインで、田代島へ。
この日はダイヤが変則的で、田代島を一通り歩いて、カフェも休業で、1時間以上時間を持て余し、
仁斗田港の広場で日差しがあったので、イロイロ乾かしながら船を待つことに。

17:22発の船で網地島へ。
網地島に着く頃には大分日が落ち、民宿で急ぎチェックインして部屋に荷物を置いて、夕食前に周辺を散策。 30年前に泊まった民宿は既に廃業してましたが、建物はそのまま残されていましたが、フェリーの発着場所が変わり、防潮堤が高くなったりと白浜が縮小していました。


8日目/網地島〜鮎川港〜金華山〜鮎川@おしか家族旅行村オートキャンプ場フリーサイト・タープ泊

昨日から網地島ラインのダイヤ変則的で、予定より網地島で時間が取れたので、30年前を思い出しながら網地島を散策。 金華山へは海上タクシーの乗合便で滞在2時間半でMCTコースを周り、折角なのでお札を授かって鮎川へ。 金華山は巨木が多く、頂上から二の峠まで下るルートは視界が開けた稜線を下る感じで気持ちよく、 もう少し時間があればMCTルート外を歩いて見たかったです。
鮎川ではホエールタウン内の鮨屋で遅い昼食に鯨ユッケ丼を食べ、 コーヒー飲んだりして休憩して15:00からリスタートしてキャンプ地へ。

9日目/鮎川〜萩浜〜桃浦@もものうらビレッジ・泊

キャンプ地からトレイルに向かっていたら地元の猟友会の方に呼び止められ、 お番所公園から鮎川へ下る林道区間は迂回さざるを得ませんでした。 コバルトラインを北上して遠回りし為に3kmぐらい距離が伸びることに。 桃浦に抜けるトレイルで、牡鹿半島にヤマビルは出ることを完全に失念していて対策して無かったんですが、 シャワー浴びたら1匹ひっついていたようです。
牡鹿半島もロード歩きが多かったのですが、特に歩道が整備されていないエリアでの空き缶やペットボトルなどのゴミのポイ捨てが異常なほど多かったです。 特定の場所に多かったり、不法投棄もあったため、常習性が疑われるので、大変残念なことです。 きっと、あの惨状は歩かなければ気づかないことかも知れません…

10日目/桃浦〜針浜〜大六天山〜女川港〜女川駅

大六天山へは針浜からのルートで登りましたが、尾根筋にでてからは気持ち良い稜線歩きが楽しめました。 女川の小乗浜へ下山しましたが、やはり女川は震災の被害が大きく、当時の面影はありませんでしたが、訪れることが出来て良かったです。

総括

MCTは全長1,000kmあり、スルーハイクで40日かかると聞きます。
今回は距離約1/3、日数1/4という感じなので、 残りのセクションは数年かけて踏破したいと思います。

石巻・牡鹿半島エリアではリボーンアートフェスティバルの痕跡を辿る感じで、 現在も展示中の作品をいくつか見てきました。

  • 幕間/BIEN @網地島
  • Microcosmos -Melody-/増田セバスチャン @鮎川
  • 白い道/島袋道浩 @鮎川
  • White Deer (Oshika)/名和晃平@萩浜
  • 淡(あわ)/久住有生@桃浦